秋田駅前 行列の絶えぬ名店【麵屋 とんぼ庵】引き継がれた味 至極の一杯
今回訪れましたのは「麵屋 とんぼ庵」さん。かつて十割そばの暖簾を掲げていた母親が経営していたお店がラーメン屋として再出発。北海道の最高級リゾートホテル・神奈川のイタリアンレストランで修行を経たのち、秋田でも名前を轟かす品川の「BASSOドリルマン」で修行。いまや行列の絶えない名店となっています。
開店時間を狙った程度では時すでに遅し。既に満席からの行列でした。車駐車場は店の前に2台と「ホテルなにわ」さんの駐車場に4台分あり、こちらも満車でした。
まぜそばとは別に台湾まぜそばが増えてる!ラインアップは写真の通り。「今日のめし」は売り切れ必死の人気メニューなのでお早めに卓上調味料は昆布酢・コショー・自家製辛味・七味唐辛子の4種。
チャーシューめん+味玉
まずこのお店に来たなら頼むべきは醤油。このお店のスタンダードであり「ドリルマン」から継承された味を引き継ぐ一杯。
脂たっぷりのスープが膜を張り、中太の自家製麺がそれを突き抜け旨味を纏います。啜ると無化調ならではのリアリティのある鶏と魚介の香り。柔らかく脂身とのバランスが素晴らしい豚バラチャーシューやそのスープからはドリルマンの系統を感じます。品川の本店へ行ったことはありませんが蔵しこや羽後町のBASSOどりるまんとなんとなく共通する点はあるように思えます。そしてチラ見えしているレモン。これを最後につぶすと驚くほど味の印象が変わります。是非実際に食べて体験して欲しいですね。間違いなく美味しい一杯です。
その安定性から私はこのお店を知ってから今日までの間トッピングはどうあれ「醤油」しか食べてきませんでした。もともとその行列のため滅多にありつくことができぬ一杯。安定の醤油で冒険をしなかった過去の記憶を今回は一蹴して「ゴマ辛めん」を食べてみたのです。
ゴマ辛めん+特製トッピング
胡麻と香辛料の芳醇な香り。辛味は強くはなく、奥にほのかな甘みを感じます。濃厚なスープは胡麻の割合が高く感じるので「担々麺」という言い方をしないのがわかるような気がします。あらびきのナッツや挽肉が沢山入っており、それに対比するように太麺がツルッとむちっとした食感なので口内はコントラストの強い賑やかな感じになります。自家製辛味を入れ辛さを増して食べても美味しいです。白髪ネギが濃厚さを調和してくれてどんどん食べられますね。こんなに食べ応えのある一杯だとは少し予想外でした。卓上の指南通り麩を沈め終盤に食べてみたのですが、意外と丈夫なもので食べるころにはちょうど良い染み具合で、弾力もありすごく美味しく仕上がってました。あまりの美味しさに、ゴマ辛めん自体の美味しさを味わいながら麩を寝かせておくという楽しみもこの丼の魅力の一つと思えるくらいです。
お店を信じていつもと違うメニューに行こうとしなかった自分が恥ずかしい。次は必ず(台湾)まぜそばを食べて笑顔で帰りたい。そんな自責の念と食後の幸福に見舞われながら、まだ行列の続く店を後にしたのでした。
麵屋 とんぼ庵
11:00~15:00
定休日はinstagramを参照
― writer ―
食条たべたろう
star_kulatinum star_kulatinumガッツリ系グルメを愛し
海苔と濃厚とつくものだいたい好物。